初期脱毛の嵐が過ぎ去り、治療開始から三ヶ月が経過する頃になると、AGA治療は「忍耐の時期」から「変化の兆しを感じる時期」へと移行します。しかし、この段階ではまだ劇的な見た目の変化、つまり他人が見て「髪が増えたね」と気づくレベルには達していないことがほとんどです。鏡で遠目に見ても、なんとなく地肌の透け感が減ったような気もするし、変わっていないような気もする、という曖昧な状態が続きます。ここで多くの人が「本当に効いているのか?」と再び不安になりがちですが、実はミクロの世界では劇的な変化が起きています。この時期にAGAクリニックを受診してマイクロスコープで頭皮を拡大観察すると、毛穴の一つひとつから、力強い「産毛」が顔を出しているのが確認できます。治療前は空っぽだった毛穴や、細い毛が一本しか生えていなかった毛穴から、新しい命が芽吹いているのです。これこそが、初期脱毛で古い髪が抜けた後に生えてきた新生毛です。まだ長さが数ミリから一センチ程度で、太さも十分ではないため、肉眼で離れて見ると存在感が薄いのですが、指で頭皮に触れてみるとその変化をはっきりと感じることができます。以前はペタッとしていた頭皮に、チクチク、ザラザラとした感触が戻ってくるのです。これは、新しい髪が皮膚を突き破り、上へ上へと伸びようとしている証拠です。また、抜け毛の質も明らかに変わります。治療前は細くて短い、頼りない抜け毛が多かったのが、この頃になると抜け毛の量自体が激減し、たまに抜ける毛も太くしっかりとしたものに変わってきます。これは、ヘアサイクルが正常化し、成長期が延びたことで、髪がしっかりと頭皮に根を張るようになったことを意味します。洗髪時のストレスが大幅に減るのもこの時期です。三ヶ月目というのは、植物で言えばようやく土の上に芽が出始めた段階です。ここで水をやる(薬を飲む)のをやめてしまえば、芽は枯れてしまいます。しかし、ここからさらに三ヶ月辛抱すれば、この産毛たちが太く長く成長し、黒々としたボリュームとなって頭皮を覆い尽くすようになります。モチベーションを維持するためには、自分で頭皮の写真を撮って拡大してみたり、美容師さんに「短い毛が増えていませんか?」と聞いてみたりするのが良いでしょう。他人の目には分からなくても、自分だけが知っている「確かな成長」を噛みしめることができる、密かな喜びの時期。それが治療三ヶ月目のリアルな経過なのです。焦らず、育ち始めた小さな命を大切に守り育てていく意識が、半年後の笑顔に繋がります。
三ヶ月目の変化はマイクロスコープで見える産毛の世界