私は二十代後半からAGAの進行に悩み、十年以上にわたってあらゆる治療を試してきました。市販の育毛剤から始まり、皮膚科で処方されたプロペシア、個人輸入した強力なミノキシジルタブレットまで、髪に良いとされるものは手当たり次第に手を出してきました。最初のうちは薬の効果で産毛が生えたり、抜け毛が減ったりして喜んでいたのですが、四十代を迎える頃には薬への耐性ができたのか、あるいは加齢による衰えが勝ったのか、徐々に効果が薄れ、再び頭頂部の地肌が目立つようになってしまいました。「もうこれ以上は無理なのか」と半ば諦めかけていた時、主治医から提案されたのが「エクソソーム」を用いた最新治療でした。エクソソームとは、細胞から分泌されるカプセル状の物質で、細胞間の情報を伝達するメッセンジャーのような役割を果たしています。このカプセルの中に、傷んだ組織を修復したり、炎症を抑えたりするメッセージ(mRNAなど)が詰め込まれており、これを頭皮に注入することで、老化して機能不全に陥った毛根細胞を直接的に活性化させるというのです。藁にもすがる思いで、私はこの治療を受けることを決意しました。施術は月に一回、頭皮に注射器や特殊な導入機器を使って製剤を浸透させるというものでした。正直なところ、安くはない費用がかかりましたが、背に腹は代えられません。驚くべき変化が現れたのは、三回目の施術を受けた後あたりからでした。まず感じたのは、髪の毛一本一本の立ち上がりの変化です。それまではペタリと寝てしまっていた髪が、根元から力強く立ち上がるようになり、セットした時のボリューム感が明らかに戻ってきたのです。そして半年が経過する頃には、マイクロスコープで見ても明らかなほど、一つの毛穴から生える髪の本数が増え、それぞれの髪が太く黒々としていました。薬を飲んでも変化がなかった停滞期を打破できたのは、間違いなくエクソソームの力です。医師の説明によれば、エクソソームは単に髪を生やすだけでなく、頭皮の抗炎症作用や抗酸化作用も持っているため、AGAの進行要因の一つである頭皮環境の悪化も食い止めてくれているとのことでした。何より嬉しかったのは、飲み薬のような全身への副作用の心配がなく、安心して治療を続けられる点です。医学の進歩によって、私のように既存の治療で行き詰まった難民にも、新たな選択肢と希望が提示されていることを、身をもって実感する体験となりました。
従来の薬が効かない私が最新エクソソーム治療を試した結果