医学的に見て男性型脱毛症は完治するという概念が存在しない慢性の進行性疾患でありこれは高血圧や糖尿病といった生活習慣病と同様に一生付き合っていく必要があるということを意味していますが多くの患者はこの事実を頭では理解していても感情的には受け入れられずいつか完全に治って薬をやめられる日が来るという淡い期待を抱き続けているため治療が長期化するにつれてモチベーションが低下し治らないならやめてしまおうという極端な思考に陥りがちですがここで重要なのは治療の目的を完治に置くのではなく管理に置くという意識の転換であり例えば毎日の歯磨きが虫歯を完治させるためではなく口内環境を良好に保つために行われるのと同様に薄毛治療もまた頭皮環境と毛髪の状態を良好に保つための日々のメンテナンスであると捉え直すことで過度なプレッシャーから解放されルーティンとして淡々と継続することが可能になりますしまた長い人生においては結婚や転職や子供の誕生など様々なライフイベントがありそれに応じて経済状況や優先順位も変化していくためその時々の状況に合わせて治療の強度を調整したり時には一時的に休止したりといった柔軟な対応も許容されるべきであり重要なのは完全に諦めて放置してしまうことではなく細く長く関わり続けることで進行を最小限に食い止めることでありゼロか百かという完璧主義を捨てて六十点や七十点の状態をキープできれば御の字というくらいの軽い気持ちで向き合うことが結果として長く治療を続けられ将来的に後悔しないための秘訣であり治らない病気だからこそどう治すかではなくどう付き合うかという視点を持つことが人生の質を高めることに繋がるのです。薄毛治療を続けているにもかかわらずいつまでたっても満足できず治らないという不満を抱え続けている人は一度冷静になって自分がどこを目指しているのかというゴール設定を見直してみる必要があるかもしれませんというのも多くの人が無意識のうちに十代や二十代の頃のような生え際や密度を取り戻すことをゴールに設定してしまっていますがこれは加齢という自然の摂理に逆らう行為であり医学的な限界を超えた高望みである場合が多くその不可能な理想と現実とのギャップに苦しんでいるのが実情ではないでしょうか例えば五十代の男性が二十代の毛量を目指すのは五十代の人が二十代の体力を取り戻そうとするのと同じくらい困難でありもし達成できたとしても顔のシワやたるみとのバランスが悪くなりかえって違和感を生む可能性すらありますがもしゴールを年相応の若々しさや清潔感の維持あるいは同年代と比較して少しマシな状態といった現実的なラインに再設定することができれば現在の治療効果でも十分に満足できることに気づくかもしれませんし実際に薄毛治療の満足度は客観的な毛量の変化よりも患者自身の主観的な期待値に大きく左右されるというデータもあり自分の中の合格ラインを下げることは決して妥協や諦めではないのです。
完治しない脱毛症との長い付き合い方を考える